2018/03/25

インドの中流階級くらいの家では、どこの家庭でも住み込みのお手伝いさんを雇うのが一般的です。
僕が住まわせてもらっている同僚・ヴィマルの家にも「ララー」という名前の男性のお手伝いさんがいて、毎日炊事洗濯掃除から子供の世話まで、テキパキとこなしてくれています。
そんな彼が、2週間ほど前から休暇で田舎に帰っていたのですが、デリーに戻るはずの日になっても帰ってきません。ヴィマルが電話してみたところ「休暇中におじさん結婚式があってお金を全部使ってしまい、デリーに戻る交通費が無くなった」との事。
普通の日本人である僕からすると、「いやいや、普通に交通費を借りて帰ってきなよ」と言いたいところですが、ヴィマルは特に怒りも呆れもせず、当たり前のように「車で迎えに行く」との事。このへんが日本人とは違う、インド人特有の感覚なんだと思います。
とりあえず面白そうだったので、僕も一緒について行ってみることにしました。
デリーから東へ約150km、「Sambhal(サンバル)」という地方へ向かいます。
途中渋滞に巻き込まれたため、4時間ほどかかって農村部へ到達。
トラックよりも牛車を目にする比率が増えてきます。
細い農道をさらに1時間ほど走り、
デリーから合計5時間かかってやっと到着です。
彼が今回の主役、ララー(31歳・独身)。
2週間ぶりの再会です。
彼の生家では、牛飼いと農業で生計を立てているとの事。
デリーで見かける野良牛よりも、清潔で毛つやが良いです。しぼりたての牛乳を沸かして飲ませてもらいましたが、日本の牧場で飲むような濃厚さはなく、あっさりとした味でした。
久しぶりの再会で、ヴィマルとララーは何かを話し込んでいる様子。
ヒンディ語がわからずヒマなので、ララーのお姉さんの子供達と遊ぶことに。
カメラを向けると、皆「きをつけ」のポーズで、キリッとしたキメ顔を作るのがかわいいです。
この日はたまたま、村の広場でレスリング大会があるとの事だったので、皆で一緒に見に行きました。
村中の若者が集まっていて、結構な熱気です。
外国人が珍しいらしく、数十人のインド人に一気に囲まれる僕。
試合が始まると、観客の興味はすぐに僕からレスリングの選手へ。
右側の彼はララーの親戚(お姉さんの旦那さんの弟)なので、一緒に応援します。
もう少しでフォールというところで、逆に相手にフォールし返されてしまい、結果は残念ながら弟さんの逆転負け。
試合後は、弟さんと選手友達が村を案内してくれることに。
なお、電灯が一本も無い村ですが、左の彼の手にあるのはスマートフォン。
インドの農村部でも携帯電話の普及率は、ここ数年で急上昇しているそうです。
一通り村を散歩した後は、インドの伝統的な葉巻「ビディ」を吸わせてもらったり、
とうもろこしを焼いて食べたり。
デリーにいる都市部のインド人は、アグレッシブでグイグイくる感じなのに対して、田舎の人は控えめで穏やか。日本人に似た距離感と、のんびりとした田舎の雰囲気はとても居心地が良かったです。
なお、この日は残念ながら曇っていましたが、晴れの日には本当にきれいな星空が見られるとの事。
次は泊まりで再訪もありだな、と思いながら、ララーを連れて村を後にしました。
にほんブログ村